Interview
miibo導入インタビュー
愛媛県が挑む24時間365日の移住相談サービス—自治体発のAIチャットボット「移住コンシェルジュ」開発秘話
愛媛県 × 面白法人カヤック
愛媛県 企画振興部 政策企画局 地域政策課 移住促進G 係長 越智 慶考 氏 面白法人カヤック ちいき資本主義事業部 ディレクター 三桃 みえこ 氏
Point
動機
・移住者数の増加を維持しつつ、さらなる移住促進を目指す ・窓口時間外のアクセスが多い若年層へのアプローチを強化 ・24時間365日対応可能な移住相談サービスの必要性を認識
活用
・「miibo」を活用し、わずか半年でAIチャットボットを開発 ・愛媛県の公式キャラクター「みきゃん」を採用した親しみやすいインターフェース ・RAG機能を活用し、公式サイトや観光情報サイトの情報を基に高精度な回答を生成
効果
・24時間365日の移住相談対応が可能に ・職員の業務効率化を実現し、複雑な相談への対応に注力 ・若年者層の移住相談が気軽にできる場の創出
『えひめ移住ネット』の企画を進められた愛媛県地域政策課の越智慶考氏(以下、越智氏)と開発・実装を担当された面白法人カヤック三桃みえこ氏(以下、三桃氏)にお話を伺いました。
自治体がAIチャットボット導入を決断した背景
移住促進対策として潜在ニーズを掘り起こす
(越智氏)愛媛県は人口減少対策の一環として、移住促進に力を入れています。その成果として、令和5年度の移住者数は7,254人に達し、平成24年度以降9年連続で増加しています。しかし、従来の相談窓口では対応時間に制限があり、潜在的な移住希望者へのアプローチに課題がありました。
移住相談サイト『えひめ移住ネット』へのアクセス情報を分析すると、約半数のユーザーが窓口時間外にアクセスしていることがわかりました。日中は仕事などで相談が難しい方も多く、相談の機会を逃さないようにする必要がありました。
この課題を解決するため、愛媛県はAIを活用した24時間365日対応可能な移住相談チャットボットの開発を決定しました。開発にあたっては「miibo」を採用。生成AIを活用した移住相談サービスの実現に向けて、プロジェクトが始動しました。

愛媛県 企画振興部 政策企画局 地域政策課 移住促進G 係長 越智 慶考 氏
miiboを活用したAIチャットボットの短期開発方法
ノーコードで半年の高速開発:みきゃんの起用も
(三桃氏)愛媛県は株式会社カヤックに委託し、miiboを活用して「AI移住コンシェルジュ」の開発を進めました。AIインフルエンサーの方々がmiiboを紹介しているのを見て、移住促進のサポートにも使えるのではないかと考えました。また、ダッシュボードの使いやすさも決め手になりました。
開発は2023年4月から開始され、わずか半年後の9月6日にサービスがリリースされました。この短期間での開発を可能にしたのが、miiboのノーコード機能です。miiboのダッシュボードが非常にわかりやすく、エンジニアでなくても直感的に操作できました。
「AI移住コンシェルジュ」は、24時間365日の対応が可能で、愛媛県の公式キャラクター「みきゃん」を活用した親しみやすいインターフェースを採用しています。また、RAG(Retrieval-Augmented Generation)機能を活用し、愛媛県の公式サイトや観光情報サイトの情報を基に正確な回答を生成。さらに、LPからの導線と自由な相談窓口を使い分けるマルチUIを実現しています。また、利用者の利便性を考慮し、移住フェアやイベント情報を固定で表示するなど、細かな工夫も施されています。

面白法人カヤック ちいき資本主義事業部 ディレクター 三桃 みえこ 氏
AIチャットボットによる自治体移住相談サービスの効果
24時間365日の相談体制で若年層へのアプローチ強化と職員の業務効率化を実現
(越智氏)「AI移住コンシェルジュ」の導入により、若年者層にも気軽に相談いただけるようになったと思っています。また、仕事、子育て、結婚など、幅広いトピックの相談に対応できるようになり、職員の業務効率化にも貢献しています。
実際のコンシェルジュが相談時に困ったら、このAIを使って情報を確認するなど、職員の業務効率化にも役立っています。さらに、相談内容のログを分析することで、移住希望者のニーズをより深く理解し、今後の施策に活かすことが可能になりました。
興味深い事例として、「愛媛に移住したら結婚できますか?」といった質問もあり、AIが婚活イベントやコミュニティの情報を提供するなど、若者の多様なニーズに対応できていることがわかりました。

RAG精度とユーザビリティ改善で進化するAIチャットボット
データ形式やAIの解答幅を調整、親しみやすさの演出も
(三桃氏)「AI移住コンシェルジュ」の開発過程では、プロンプトの最適化やナレッジデータの整備など、さまざまな工夫が行われました。
具体的には、公式サイトの情報をAIを用いてQ&A形式に変換することでRAG機能の精度を高めたり、AIの回答の幅を適切に調整することで精度の向上を実現しています。
また、固定応答とAI応答を使い分け、LPからの導線にはシナリオ機能を用いて固定の回答を、自由な相談にはAIを活用するなど、用途に応じた使い分けも行われています。
さらに、愛媛県の公式キャラクター「みきゃん」を採用し、親しみやすさを演出する工夫も施されています。 miiboのコミュニティで得た知見を活かすことで、より安定した回答が得られるようになりました。

愛媛県ブランドを活かし全国的なAI先進事例へ
デザイン強化や先進的な取り組みで移住促進を目指す
(越智氏)「AI移住コンシェルジュ」の今後はさらにUIの改善し、背景色の変更など、愛媛県のブランドイメージに合わせたデザインを検討しています。AIを活用した移住相談は全国的にも珍しい取り組みですが、今後も先進的な取り組みを続け、移住促進につなげていきたいと考えています。
2024年11月27日公開 ・ 文 小川・編集 埜口
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