Interview
miibo導入インタビュー
AIとの会話で学生の論理力向上へ。教員がノーコードで開発した新しい学びの形
鹿児島大学・坂井 美日准教授
総合教育機構共通教育センター 准教授 坂井 美日 氏
Point
動機
・「使わずに警戒」というAI活用への教育現場の課題 ・レポート添削など、教員の業務負荷への対応 ・大学1年生の50%以上がAIを一度も使用していない現状
活用
・miiboによる論理力向上のための対話型クイズボットの開発 ・レポート添削支援ボットの開発 ・キーワードを活用した利用確認の仕組み構築
効果
・学生のAIへの理解と適切な活用の促進 ・3クラス90人分のレポート添削業務の効率化 ・ゲーム感覚で楽しく学べる環境の実現
導入したきっかけ
AI教育の現状を変える:「恐れる」から「活用する」へ
「大学1年生の半数以上が、一度もAIを使ったことがない―」直面した驚きの現実でした。AIへの警戒感が強調される中、学生たちは「すごい」という漠然としたイメージと「怖い」という不安を抱え、新しい技術に踏み出せないでいたのです。
また、警戒している先生の方が多いというより、使ったことすらない先生がいっぱいいるかもしれない。教育現場の現状は、使わずに警戒しているというよくないパターンだと感じています。
今後、AIなしの仕事や生活は考えられない。AIの使い方を正しく教える方が、むしろ重要なのではないか。そんな課題感から、「miibo」を使って解決の取り組みを行うことにしました。
活用方法
学生と教員がもつ課題をmiiboで解決
私は完全な文系人間です。コードは大学1年生と同じレベルの知識しかありません。しかし、miiboのノーコード環境により、プログラミングの専門知識がなくても、教育現場で使えるAIアプリケーションの開発が可能になりました。
1年生の「使ったことがない」「ほとんど使ったことがない」が半数で、一部の生徒はAIを怖いと感じている、その状況を打開するため、ゲーム感覚でAIを体験できる仕組みを考案しました。
例えば、学生が苦手とする「問いを立てる」という課題に対し、対話型の論理力向上クイズボットを開発。AIとの会話を通じて、楽しみながら論理的思考を養うことができます。
また、1クラス30人、3クラス計100人近いレポートの添削という課題に対しても、AIを活用した解決策を見出しています。特に初期段階のレポートに向き合うのが一番時間がかかります。そこでAIに自身の知識を入れ込んで、AIによる事前チェックシステムを構築。まずAIのチェックを通してから提出させる取り組みを行っています。

導入効果
効果と学生の反応
論理力向上クイズボットについて、問いを立てることが苦手な学生も、AIと会話しながら論拠を聞いたり、分析に反論したりすることで、積極的に学習に取り組めるようになりました。AIとの対話形式の学習に対して、学生たちは予想以上の反応を示しています。「AIが褒めてくれる」という特徴もあり、学生たちはAIとの対話を通じて、楽しみながら学習を進めています。
また、レポートのAIによる事前チェックシステムにより、教員の負荷が大幅に軽減され、効率的な指導ができるようになりました。
文系の学生や教員は、実はアイデアをたくさん持っています。ただ、技術がないために実現できないでいました。miiboは、そんな文系のアイデアを形にする新しいルートを提供してくれました。
導入の工夫
巧みな仕掛けで実現する適切なAI活用
教育効果を高めるため、独自の工夫も施しています。例えば、学生がAIとの対話を適切に行ったことを確認するため、特定のキーワード(「花子」や「もちまる」など)をAIが会話の中で発するよう設定。このキーワードを課題の一部として記入させることで、適切にAIを活用したかどうかを確認できる仕組みを実現しています。
また、レポートの添削支援ボットにおいては、「レポートの丸写しはダメですが、添削ならOK」。そういった使い方の指針をAIボット自体に組み込むことで、適切な活用を促しています。学生が「答えを教えて」と依頼しても、AIが明確に禁止事項として伝えるよう設定しています。
今後の展望
教育現場のDXを加速する可能性
学校の先生はみんな忙しくて大変です。AIで少しでも楽になってほしい。現在はよくわからないから使えないという状況ですが、miiboを活用することで、文系教員でも気軽にAIアプリケーションの開発に挑戦できることが実証されています。
今後は、より多くの教育者がAIを活用できるよう、実践例の共有や活用方法の普及を目指しています。「使わせない」から「正しく使わせる」への転換により、教育現場の働き方改革とデジタル化の両立を期待しています。
文 小川・編集 埜口
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