Interview

miibo導入インタビュー

LINEヤフー株式会社

人員増やさず相談件数6倍に対応。LINEヤフー「DS.INSIGHT」がmiiboで実現したユーザー活用支援

#アシスタントAI#問い合わせチャットAI
LINEヤフー株式会社の導入事例

LINEヤフー株式会社

データソリューション企画開発ユニット   猪目 美紗 氏、松井 裕子 氏、待場 由羽 氏

Point

導入の動機

・少人数体制での対応負荷と属人化の解消 ・ユーザーが気軽に質問できる場がなく、問い合わせフォームへの心理的ハードルがあった

活用方法

・サービスサイトとサービスUI内の2軸でAIチャットを展開 ・コネクター機能を活用し、入力キーワードから該当データページへ直接誘導 ・GAS(Google Apps Script)でナレッジを自動更新し、FAQとコミュニティ投稿を常に最新の状態に維持

導入効果

・人員を増やさずユーザーからの相談件数が約6倍に拡大 ・問い合わせフォームへの基本的な質問がほぼゼロに

LINEヤフー株式会社が提供するデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」は、Yahoo! JAPANの検索・人流データを統計化し、企業・自治体の担当者が手元で消費者分析できるデータ分析サービスです。多様なデータを持ちながらも、「データをどう分析し、どう活用すればいいかわからない」というユーザーの壁は、常に向き合うべき課題でした。

miiboを導入し、サービスサイトとサービスUI内の2軸でAIチャットを展開。人員を増やすことなく、ユーザーからの相談件数を約6倍に拡大しました。AIが対応を担うことで、チームの工数を増やさずにユーザーとの接点を広げています。今回の導入は、エンジニアの猪目美紗氏(サービス開発)と、ビジネスサイドの松井裕子氏(マーケティング・カスタマーサクセス)・待場由羽氏(プロダクト企画)が組んで推進しました。3名に導入の背景から運用の工夫、見えてきた変化を伺いました。

「気軽に聞ける場」をつくることが、チームとユーザー共通の課題だった

― miibo導入前には、どのような課題がありましたか。

猪目氏:DS.INSIGHT自体多くのお客様にご利用いただいており、日々さまざまな問い合わせがあります。ただ、少人数体制での顧客対応が限界に近づいていたうえ、同じような問い合わせが繰り返し届いていました。

待場氏:ご契約いただいているユーザー様側でも、窓口の担当者おひとりに社内からの質問が集中し、その方への負担が積み重なっているケースがありました。そもそもサービス内に気軽に質問できる場がありません。問い合わせフォームはあるものの、ちょっとしたことを聞くには敷居が高いという声もあり、もっと気軽に聞ける場が必要だという意識が強くなりました。

LINEヤフー株式会社 猪目 美紗氏

LINEヤフー株式会社 猪目 美紗氏

使いやすさと、厳格なセキュリティ要件への対応が決め手に

― miiboを選んだ経緯を教えてください。

猪目氏:まず自社開発も検討しましたが、問い合わせ対応という目的に絞るなら外部ツールで十分と判断し、いくつかのサービスを比較しました。miiboを選んだ一番の理由は、エンジニアがいなくても使いやすいことです。チーム内にエンジニアがいる環境ではありましたが、非エンジニアでも設定・運用できることは重要な条件でした。

セキュリティ面でも社内ルールが厳しく、細かい点まで確認させていただきました。会話ログの分析ができるか、利用上限に達した際に適切に制御されるかといった機能面も確認したうえで、要件を満たしていると判断しました。

松井氏:技術選定の場には私も同席していました。社内のセキュリティ基準に照らして確認を重ねましたが、miiboはその要件をクリアできていたことが大きかったです。マーケティングやカスタマーサクセスの立場からは、導入後の運用のしやすさも重要な観点でした。シナリオ設計は、普段のメール配信やマーケティングツールの感覚で入れる部分が多く、ビジネスサイドのメンバーが主体的に関われるツールだと感じています。

LINEヤフー株式会社 松井 裕子氏

LINEヤフー株式会社 松井 裕子氏

― 導入から公開までの流れを教えてください。

猪目氏:社外向けのAIチャット作成ツールが社内になかったため、技術選定と並行して、まず社内向けのチャットを先に立ち上げて感覚をつかんでいきました。miiboでの開発自体はとてもスムーズで、契約から公開まではおよそ1ヶ月で完了しました。

サービスサイトとサービスUIの2軸で展開。Function Callingでデータページへ直接誘導

― 現在の運用体制を教えてください。

猪目氏:まずサービスサイト上でトライアルユーザー向けに限定公開し、会話ログを確認しながらナレッジを整備しつつ、段階的に対象を拡大しました。コミュニティサイト「DS.LAB」内にあるマニュアルや、Googleスプレッドシートで管理しているFAQリストを毎週更新し、GASを使ってmiiboのナレッジデータストアにも自動で入稿しています。

待場氏:サービスサイトだけでなく、DS.INSIGHTのツール内にも実装しました。単なる質疑応答にとどめず、miiboのFunction Calling機能を活用して、会話からアクションへ直結させているのがポイントです。たとえば「スニーカー」の分析をユーザー様に提案した際、そのデータページへのURLをAIがリアルタイムで生成し、スムーズな画面遷移を実現しています。

LINEヤフー株式会社 待場 由羽氏

LINEヤフー株式会社 待場 由羽氏

問い合わせフォームへの基本的な質問がほぼゼロに。相談件数は約6倍へ

― 導入後の変化について教えてください。

松井氏:問い合わせフォームへの基本的なツールの使い方に関する質問が、ほぼゼロになりました。その分がmiiboに流れて、気軽に聞けるようになったのだと思います。DS.INSIGHTはさまざまな分析データが表示されるため、「このデータをどう使えばいいかわからない」という声はこれまでも多くいただいていました。その部分をmiiboが受け止め、ユーザーの役に立てていると感じています。同じ人員体制のまま、ユーザーからの相談件数は約6倍になりました。

待場氏:会話ログには、ツール操作でつまずきやすいポイントや、データの読み解き方に関する疑問など、サービスをより良くするためのヒントが数多く隠されています。AI相手だからこそ、ユーザーが気兼ねなく「ここが分からない」と打ち明けてくれる側面もあります。こうしたやり取りから得られる気づきは、マニュアルの改善や新機能の検討に活かしています。

株式会社miibo 田中 康亮

株式会社miibo 田中 康亮

正答率8〜9割。「答えない」設計がユーザーの信頼を守る

― AIの回答品質についてはいかがですか。

松井氏:正答率は8〜9割程度です。回答が不十分な場合も「ナレッジに情報がないため、お問い合わせください」と誘導するよう設計しています。誤った情報を伝えることはほぼなく、答えられないときに正直に答えないという設計が、ユーザーの信頼につながっています。

待場氏:ログの確認は、基本的な内容は業務委託の方にお願いしつつ、活用方法や応用的な内容は私たちが目を通す形で役割を分けています。大きな問題がなければそのまま運用を続けるという形で、負荷をかけすぎずに回せています。

FAQの二重管理解消や、社内外への波及効果も

― 導入を通じて得られた副次的な効果はありましたか。

猪目氏:miibo導入をきっかけに、バラバラに管理されていたFAQやマニュアルを整理する機会になりました。同じような内容が複数の場所に存在していた状態を見直せたのは、思わぬ収穫でした。また、社内で初めてのmiibo導入だったこともあり、同様の課題を持つ他部署から相談をいただくようになりました。特にBtoB向けのサービスを持つ方からの問い合わせが多く、先行事例として参考にしていただけています。

検証から本番まで、スピーディに動けるツールとして

― 今後の展望を教えてください。

猪目氏:miiboはRAG参照もエージェント構築もすぐに試せるツールなので、アイデアを素早く形にして検証するのに向いています。社内外でも積極的に紹介していきたいです。

待場氏:DS.INSIGHTはデータが豊富に出てくるツールだからこそ、「そのデータをどう使うか」を支援する仕組みが重要です。miiboとの組み合わせはプロダクトの特性と相性がよく、今後もナレッジを継続的にアップデートしながら、ユーザーの活用を後押しできる体制を構築していきます。

松井氏:miiboで疑問を解消して次のステップに進んでいただけるケースが増えており、ユーザーのセルフオンボーディングを支援できる体制が整ってきました。今後はこの仕組みをさらに育てていきたいです。

2026年5月13日公開 写真 藤田 亜弓・文/編集 埜口

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デスクリサーチツール『DS.INSIGHT』

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