Interview
miibo導入インタビュー
LPの"小さな疑問"を拾う。マネーフォワードがmiiboで実現した、問い合わせ前のユーザー接点
株式会社マネーフォワード
マネーフォワードビジネスセグメント横断マーケティング本部 オーガニックグロース部 渡會 ひろみ 氏
Point
導入の動機
・複雑な料金プランへの疑問をサイト上でその場に解消したかった ・チャットボット2度の挫折を経て、生成AIの精度向上で再挑戦
活用方法
・正確性が求められる料金情報はプロンプト、その他はナレッジで管理を分離 ・発話ログをSlack連携+AI要約し、ナレッジを継続的に改善するサイクルを構築
導入効果
・料金ページでのAI質問解決率 約80% を達成 ・繁忙期には月間 数千名 のユニークユーザーがチャットを利用 ・問い合わせフォームには上がらなかった"小さな疑問"が可視化され、LP改善に活用
会計・請求書・経費・給与など、バックオフィス業務全般をカバーするクラウドサービス「マネーフォワード クラウド」。その法人向けサービスサイトでは、料金体系やプラン適用範囲など「少し確認したい」疑問への対応が課題でした。従来からチャットボット導入を検討しながらも精度や用途のズレから本格導入には至らず、生成AIの進化を背景に改めてmiiboを導入。現在は複数の法人向け製品LPで運用しています。
LP改善やコンテンツ制作を担当する渡會ひろみ様に、miibo導入の背景から運用の工夫、導入後に見えてきた変化についてお話を伺いました。
チャットボット2度の挫折を経て、生成AIの進化で再挑戦
― miibo導入前には、どのような課題がありましたか。
渡會氏:LP上にチャットボットを置きたいという話は以前からありました。製品サイト内にフリーワード検索がなく、料金体系もやや複雑なサービスがあるため、ユーザーがその場で気になったことを確認できる手段が必要だと思っていたんです。
実は過去に2度、導入を試みて断念した経緯があります。1回目はまだ生成AI以前の時代で回答の質が十分でなく、あまり使われませんでした。2回目はプロダクト内のチャットボットをLPに流用したのですが、LPで伝えたい内容とのズレがありました。ただそのチャットボット自体は一定の利用があったため、「生成AIの精度が上がってきた今ならうまくいくかも」と思い、改めてツールの導入を検討し始めました。

株式会社マネーフォワード 渡會ひろみ氏
「Web上で接客する」用途に合うものを探していた
― どのようにmiiboにたどり着いたのでしょうか。
渡會氏:世の中のチャットボットサービスはカスタマーサポート向けや、チケット管理システムと連動するものが多くて。今回やりたかったのは、LP上でユーザーの疑問をその場で解消しつつ、資料ダウンロードや問い合わせ・登録といった導線に自然につなげること。「問い合わせを受ける」よりも「Web上で接客する」に近い用途だったので、なかなか合うものが見つかりませんでした。そんな中で、社内の別サービスでmiiboが使われているのを見かけて調べたのがきっかけです。
― 導入の決め手は何でしたか。
渡會氏:やりたいことに合っていたことが一番の決め手です。加えてコスト面でも導入しやすく、LLMを選べる柔軟性もよかったです。生成AIはどのモデルが最適かも変化が早いので、ひとつに固定して作り込むのは少し不安があって。その時々でモデルを選べるのは安心材料でした。日本語でサポートを受けられる点も、社内説明のしやすさも含めて大きかったです。

株式会社miibo COO 久野 祐揮
「間違ったことを言わない」ことを確認してから導入へ
― 導入前に不安だった点はありましたか。
渡會氏:社内で議論になったのは2つ。「回答精度」と「そもそも使ってもらえるか」という点です。精度については、ナレッジに基づいて答えさせる設計ができることで安心できました。約1か月のトライアルでは、社内でかなり意地悪な質問を試しました。すべての質問に完璧に答えられたわけではありませんが、私たちにとっては「何でも答えられること」より「間違ったことを言わないこと」の方が重要でした。答えられない場合に問い合わせフォームへ適切に誘導できれば、十分成立すると判断しました。思っていたより、きちんと返せていた、というのが率直な印象でした。

プロンプトとナレッジの使い分け、LP表現の揺れへの対応
― 設定・運用準備で工夫した点を教えてください。
渡會氏:一番悩んだのは、どこまでをプロンプトに含めて、どこからをナレッジに任せるかです。プロンプトの方が強く効く感覚があったので、料金まわりなど正確さが求められる情報はプロンプト側に、それ以外はナレッジから取ってくる形にしています。
またLP上は表現の揺れがあります。「無料で1か月使えます」と書いてある場所もあれば、「無料トライアル開始はこちら」となっている場所もある。AIに齟齬なく伝えるには整理が必要で、そのあたりはかなり考えました。導入を決めてからリリースまでは1〜2か月ほど。設定は私が担当し、LP実装はエンジニアに依頼しました。AIツールの導入にあたり、社内のセキュリティチェックやリーガル対応には多くの時間をかけて慎重に進めました。

株式会社miibo 田中康亮
可視化された「小さな疑問」と、見えてきた改善ヒント
― 運用開始後、印象的だった変化はありますか。
渡會氏:「ひとり法人プランは自分の条件でも使えるのか」「社員数5名だけど、このプランで大丈夫か」「会計も請求書も経費も本当に全部使えるのか」といった、導入前の”確認”に近い質問が多かったです。こうした声の多くは、従来の問い合わせフォームには上がってこなかったであろう種類のもの。「わざわざ問い合わせるほどではないけれど、少し聞きたい」という小さな疑問が、AI相手だと可視化されるんですよね。
料金ページでのAIによる質問解決率は現在およそ8割弱です。ただし、50名以上の法人向け料金は商談ベースのため金額をお伝えできなかったり、ログイン後の操作に関するご質問にはLP上では対応できないなど、仕組み上AIでは答えられない領域もあります。それを除けば、本来答えてほしい質問にはほぼ回答できている実感があります。
マーケティング観点でも発見がありました。これまでもユーザーインタビューやユーザーテストでLPの伝わり方を確認してきましたが、チャットのログからは「LPのここが、伝わっていないんだな」という点が日常的に見えてきたんです。LPは情報を載せすぎても読まれませんし、減らしすぎると不安が残る。そのバランスの中で補足としてAIチャットが機能するのは相性がいいと感じています。
発話ログはSlackにリアルタイムで連携し、日々確認できます。月次ではログをAIに要約させて「よく出た質問」「答えられなかった質問」をチームに共有。答えられなかった内容は、関連ページを探してナレッジに追加するという運用を続けています。
― 実際の利用状況について、数字面ではいかがですか。
渡會氏:確定申告のシーズンでは、ひと月あたり数千名のユニークユーザーがチャットで会話しています。LP上のバナーや資料導線と比べると、チャットのUIはかなり小さいのですが、クリック数はバナーと同等程度あり、面積あたりの効率はかなり高いと感じています。
AIが変える、LPとユーザーの関係
― コンバージョンへの貢献はいかがですか。
渡會氏:チャット内でAIが案内する登録URLや資料ダウンロードURLにはパラメータを付与して計測しています。特に個人事業主の方など、ご自身で契約を判断される層では、チャットから直接登録に至るケースが出てきていますね。また、ユーザーごとのIDをmiiboに連携できるようになったので、今後は間接的な効果も見ていける見込みです。
― 今後の展望を教えてください。
渡會氏:データまわりをもう少し整備して、AIが答えられなかった質問に対してよりリアルタイムにアクションできるようにしたいですね。見込み度の高い質問に対してオンライン予約導線を出すなど、エスカレーションの方法はまだ工夫の余地があります。
それと最近感じているのは、ユーザーの情報収集行動が変わってきていることです。以前は比較サイトを見てから製品ページに来る流れが多かったのですが、今はAIに聞いて候補が絞られた状態でサイトに来るケースも増えています。これからは、LPにすべての情報を書き切るだけでなく、書ききれない補足や個別の確認をAIが受け止める形が、より自然になっていくのではないかと思っています。

2026年4月24日公開 ・ 写真 藤田 亜弓・文/編集 埜口
ノーコードで簡単に、
実用的な「会話型AI」をつくりませんか?
miibo AIがお答えいたします!